削蹄と蹄病( ていびょう )について
削蹄と蹄病の関係とは?
牛の削蹄とは何ですか?
削蹄とは、牛の蹄( ひづめ )を専門的な知識と技術を用いて適切な形に整えることです。
定期的に削蹄を行わなければ病気や事故の原因になります。
牛にとっての蹄とは?
牛にとって、健康な蹄は生命線です。
蹄は、歩行や走行を支える重要な役割を担っています。
しかし、伸び過ぎた蹄は歩行や走行に影響を及ぼすだけでなく、蹄病( ていびょう )をという病気を引き起こします。
主な蹄病
角質疾患
蹄の角質層に異常が生じる病気です。
蹄底潰瘍( ていていかいよう )
角質に開いた穴から蹄真皮が露出することで痛みを引き起こす病気です。
白帯病( はくたいびょう )
蹄に亀裂が入り、ひどい場合は膿瘍( のうよう )を引き起こします。
蹄葉炎( ていようえん )
蹄底潰瘍や白帯病の原因になる病気です。慢性化してくると蹄底の出血、蹄底角質と白帯の黄色化が見られます。
過長蹄( かちょうてい )
つま先が伸び過ぎてそり返ることです。そのため、重心がかかとにかかり立ちにくくなってしまいます。
皮膚疾患
細菌やウイルスなどの病原体により引き起こされる病気です。
趾皮膚炎( しひふえん )
有毛イボとも呼ばれます。趾間皮膚に病変が形成される病気です。痛みを伴い、歩き方が不自然になります、
趾間腐燗( しかんふらん )
趾間フレグモーネとも呼ばれます。細菌が皮膚の傷から皮下組織へ感染します。趾間の皮膚の炎症と壊死を特徴とする病気です。
蹄病を早期発見するために
足元にトラブルを抱えている牛を
見つける方法はありますか?
その牛の飲水や採食の量を見ることで
足元のトラブルの早期発見につながります。
牛は自分で爪を切ることができないため、定期的な削蹄が必要です。
足のトラブルと全身状態について説明します。
足元の健康と全身状態の関係
立ちにくい、歩きにくい、足が痛いなど、足のトラブルをかかえた牛は、寝起きがしにくいため飲水や採食を諦めてしまう傾向があります。
そのため、寝起きの回数を減らすために一気に食べて一気に水を飲みますが、飲水・採食量や頻度は、全身状態に直結します。
牛の最高のパフォーマンスを維持するためにも、定期的に削蹄してあげましょう!
石原削蹄所では、4ヶ月から半年に1回の頻度で削蹄することをおすすめしています。
予防的削蹄のコツ
・マドリング( 土踏まず )を深く削蹄することによって、起立時間の延長による血ぱん・潰瘍が予防できます。